« 桜花賞 もくにの最終決断 | Main | 皐月賞 Dインパクトは磐石か »

April 11, 2005

BSE問題について-リスクアナリシスとリスクマネージメントを混在させるな

神保哲生さんのブログ からTBいただいたので、BSE安全宣言のカラクリを斬る をちょっと視てみた。
第一印象は、食品安全委員会の役割についてのご認識が十分ではないのではということであった。言うまでも無く、食品安全委員会が設けられたのは、食の安全について、リスクマネージメントを担当する行政庁(国では農林水産省と厚生労働省)とリスクアナリシスを担当する行政庁を分離し、今までともすれば曖昧であったリスクアナリシスを科学的な判断の下に的確に行うところにあった筈である。
その意味で、現行の牛の全頭検査の実施時期を生後20月以上に限定してもリスクの上で問題はないか分析してほしいという諮問自体はまさにリスクアナリシスの問題であって、食品安全委員会のマターである。(そういう意図で諮問がなされたということであろう。)即ち、例え諮問の背景に米国との合意事項があったとしても、リスクアナリシスを行う側としてはそうした背景因子には全く関係なく判断するべき性質のものなのであり、そうでないと分離した意味がない。
これに対し、「特定危険部位の除去」ということを実施させるのは、リスクマネージメントのマターである。従って、リスクアナリシスをする側がリスクマネージメントをしっかりやれと言うのはある意味で正論であるとしても、アナリシスにはならない。
仮にアナリシスをするのであれば、例えば、「『特定危険部位の除去率』が現在○○%であるので、これを100%にしないとリスクが軽減されない。」というようなことを言わないとダメなのではないだろうか。
こう整理することによって、「全頭検査は生後20月未満を除外してもリスクの大きな増大につながらない」(アナリシスの観点)ということと、それでも「全頭検査を続行する。」(マネージメントの観点)ことの違いが理解できる。

いずれにせよ、ボールは再びマネージメント側に投げ返された訳で、どういう視点から新たな対策を整備するか注目が必要であろう。

他のブログさんは?

|

« 桜花賞 もくにの最終決断 | Main | 皐月賞 Dインパクトは磐石か »

Comments

なるほど。
アナラシスとマネージメントを分けて考える視点は重要ですね。

Posted by: メディア探究 | April 12, 2005 at 05:39 PM

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/53815/3658736

Listed below are links to weblogs that reference BSE問題について-リスクアナリシスとリスクマネージメントを混在させるな:

» BSE問題 [時事を考える]
神保さんのビデオニュースのコメンタリー、 ”食品安全委員会のトリックはちょっとひ [Read More]

Tracked on April 11, 2005 at 07:03 PM

» アメリカの食肉処理の現場で内部告発が続いている [BSE&食と感染症 つぶやきブログ]
昨年の、米国最大食肉加工企業のタイソン社労組の内部告発や農水省への陳情書提出、米国食肉検査官組合の告発などに引き続き、米国は内部告発が続いているようです。 ■(4/9)「米農務省はBSE秘匿の疑い」元食肉検査官が告発 http://health.nikkei.co.jp/bse/child.cfm?i=2005040904373bs&c=0 現地時間の4月12日に、カナダで公聴会と、プレスカンファレンスがあるそうです。 詳細は【笹山登生の掲示板】の発言[1... [Read More]

Tracked on April 12, 2005 at 03:37 PM

» 詐欺的トリックにだまされるな [メディア探究]
日本政府の意思決定システムはどうしてこうも腐っているのか。 神保さんのブログが指摘していたことだが、官僚の詐欺的なトリックによって、BSE対策の方向性が、専門家 [Read More]

Tracked on April 12, 2005 at 05:36 PM

» 島村農相「飼料問題は食安委に諮問せず」&外食業界の島村氏献金ニュース [BSE&食と感染症 つぶやきブログ]
飼料管理は、BSE拡散を防ぐために一番重要な問題なのですが。。。 ■島村農相「飼料問題は食安委に諮問せず」 『島村宜伸農相が米国産牛肉の安全性を食品安全委員会に諮問する際に米国の飼料規制の有効性を「諮問事項としない」と発言している』 「民主が農相を厳しく批判 安全委への諮問めぐり」ニュースより http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050419-00000180-kyodo-pol ■島村農水相に外食業界献金 http:/... [Read More]

Tracked on April 20, 2005 at 06:57 AM

» ヤギ&羊は肉や乳にも感染物質?・オランダで26歳vCJD・ピッシング・新検査 [BSE&食と感染症 つぶやきブログ]
■感染ヤギと羊の場合、肉や乳を通して感染物質が人間の体内に入る可能性、という報道 仏、ヤギやヒツジのBSE検査を強化 (4/19) http://health.nikkei.co.jp/bse/child.cfm?c=0 >「ヤギや羊では牛に比べ体内の多様な組織に感染物質が広がりやすく、肉や乳を通して人間の体内に入る可能性もあるとしている。」(抜粋) 牛が駄目だからということで、『パンが駄目ならお菓子を食べればいいのよ』というように、�... [Read More]

Tracked on April 23, 2005 at 02:44 PM

» 食品安全委員会の一部委員が政府方針に疑問を表明 [安全なものを食べるには?]
米産牛肉の輸入審議難航も 食品安全委から内部批判  米国産牛肉の輸入条件について [Read More]

Tracked on May 20, 2005 at 01:19 PM

« 桜花賞 もくにの最終決断 | Main | 皐月賞 Dインパクトは磐石か »