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July 21, 2005

アスベスト問題に思う

アスベストによる住民の健康被害の問題が表面化して以来。この問題が毎日のように世間を賑わしている。ただ、この問題を単に行政の不作為や企業の悪と決め付けることは早計であると思う。アスベスト対応には3つの段階を考えなければならない。
第一は「きわめて便利な製品」であるということだけで、その有害性に注目されていなかった段階。
第二は有害性は認識されていたけれども、「他に代替物質が無い」ことから、厳重な管理の下で使用しようとした段階。
第三に全面禁止に至る段階。
アスベストによってもたらされる健康被害はかなり長期的なものであり、これら全ての段階における結果が今日的な問題となって降りかかってくることとなる。
従って、それぞれの段階において、行うべきことが何であって、それを誠実に遂行していたのか。また、今日行うべきことは何かをきちんと整理しながら対応することが肝心である。
犯人探しや吊るし上げをしたところで意味は無い。

ちなみに、今話題となっている「石綿粉塵による健康障害の予防対策推進について」という昭和51年5月22日付けの通知の該当部分を引用してみよう。( )内及び下線は筆者の補足。
(序文)
最近、各国における広範囲な石綿関係労働者についての研究調査の結果、10年をこえて石綿粉塵に暴露した労働者から肺癌又は中皮腫が多発することが明らかとされ、その対策の強化が要請されているところである。 
労働省としては昨年(昭和50年)9月に特定化学物質等障害予防規則を改正し、一部石綿業務についての制限等規制を強化するとともに、石綿関係施設改善等研究会を設け、環境改善の具体的な技術指針の検討を行っているところである。
各局(都道府県労働基準局)においては、昭和51年度行政運営方針に基づき、特別監督指導計画の重点対象として、その対策が図られているものと思われるが、最近の石綿による肺癌又は中皮腫発生の報告をみるとき環境改善の技術指針をまつまでもなく早急な作業環境改善等健康障害防止対策の推進が肝要であると考えられる。
しかし、対象業種が広範で、かつ、中小企業が多いことから、これが徹底的には困難を伴うと思料されるが、上記対策の推進にあたっては、特化則の関係規程の遵守を徹底させることはもとより、特に、下記事項に留意するとともに、別添の資料を参考として関係者に石綿の有害性について周知を図り、もって関係事業場の石綿粉塵による健康障害防止措置の徹底を図られたい。

5 清潔保持の徹底
石綿により汚染した作業衣も二次発塵の原因ともなる。また、最近石綿業務に従事する労働者のみならず、当該労働者が着用する作業衣を家庭に持ち込むことによりその家庭にまで災いの及ぶおそれがあることが指摘されている。
このため、関係労働者に対しては、専用の作業衣を着用させるとともに、石綿により汚染した作業衣はこれら以外の衣服から隔離して保管するため設備に保管させ、かつ作業衣に付着した石綿は、粉塵は発散しないよう洗濯により除去するとともに、その持ち出しは避けるよう指導すること。
なお、作業終了後及び必要に応じ、手洗い、洗面及びうがいを励行させること。

この通知を読む限りにおいては、労働者の家庭における問題点を指摘しているが、「公害」の視点からの記載はないように思える。「作業衣を家に持ち帰るな」という指導は職場の中できちんと出来るはずの問題であり、この面において労働衛生の範囲でしか捉えられていないのは事実である。問題となった論文は「別添の資料」に添付されていたもののようだが、現物を確認できないので、論評はできない。

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Comments

アスベストに関しては、誰かが故意に、作意をもって使用し続けたのではありません。
企業もユーザーも国も、危険性を認識しながら、しかし代替する材料が無かったため、止む得ず使ってきたというのが、実情です。
従って、ご指摘の通り、犯人探しや責任追求はなじまないと考えます。

Posted by: home-9 | July 21, 2005 at 07:09 PM

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Tracked on July 21, 2005 at 07:10 PM

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