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November 01, 2005

JRAの「変節」と地方競馬との連携

山城守さんの記事を読んで考えさせられることがあった。
JRAは従来以上に企業努力が求められているのは間違いない事実であろうが、一方で、昨年の競馬法改正によって地方競馬との連携が強化されたはずである。企業努力と地方連携の中に隘路があるかもしれないということから、競馬法の国会審議の状況を調べてみた。
平成16年6月1日に衆議院の農林水産委員会で競馬法改正の審議がされ、議事録が公開されている。それによると、(一部略して引用)
A委員:これからはぜひ、中央は中央、地方は地方ということでなくて、双方の魅力をお互いに生かし合うような連携を深めていただきたいなと思いますし、そこら辺をお考えになって施策を講じていただきたい。今回、この法律の改正案において、中央と地方の競馬の連携という観点では、どういうことが特筆されるかお聞かせいただければと思います。
政府参考人:今回の改正におきましては、中央競馬会と地方競馬主催者との間で馬券の発売の事務というものを相互に受委託することを可能とするということを入れているわけです。これにより、相手方の職員に業務をゆだねるということができ、事務の効率化ということでコストの削減につながるということです。
 もう一点、連携を進めようとする場合に、主催者に対する支援ということで、連携計画を共同で作成し、大臣の認定を受けた場合には、地方競馬全国協会から助成を受けることができるような規定も入れているわけです。具体的には、連携を行います場合に、コンピューターを共同化していくとか、共同の場外馬券売り場を設置するといった基盤整備、施設整備が必要な場合には地方競馬全国協会からも助成ができることでして、こういうことにより連携をより一層進めてまいりたいと考えています。
B委員:これからの日本の競馬の将来像、ビジョンというものはどういうふうに描かれているのか。もっと言えば、今回の改正案、現状の競馬産業、特に地方競馬であるかと思いますけれども、活性化をさせようとしているのか、あるいは、安楽死をさせようとしているのか。どういう御認識で今回の改正法案があるのか、お答えいただきたいと思います。
政府参考人:委員からお話がございました競馬の将来像、どういうふうな考え方でやろうとしているのかというお尋ねでございます。
 中央競馬と地方競馬それぞれ、施行主体が異なるわけでございまして、中央競馬は国家財政に寄与する、あるいはまた地方競馬は地方財政に寄与しておるということに加え、過去の経緯で成り立ちが違っているわけです。しかしながら、中央、地方の共存共栄を図って、今後とも競馬をしっかりと振興していくことが必要なのではないかと考えているわけです。このところ、全体として売り上げが減少という大変厳しい状況にあるわけでして、今回の競馬法の改正案により、中央競馬と地方競馬の共存共栄という観点から、連携を強化していこうというのが一つでございます。もう一つとしては、全体としてコストの低減ということで、私人への委託を可能にしていくこと、あるいは、中央、地方両者で相互委託ができるようにすることです。それからもう一点は、ファンのために選択の幅を広げるといいますか、よりおもしろい競馬を提供するということで、新しい、重勝式というふうな、かけ方式も導入していこうということです。
 主催者の事業収支の改善を図ることによってそれぞれ振興を図っていく、それからファンサービスを進めていこうということを通じ、厳しい状況に対処をして、競馬、特に地方競馬の事業収支の改善のための必要な措置を講じようとするものです。

ここから、読み取れることは、地方競馬をなんとか救っていこうという姿勢ではあるのだが・・・

B委員:JRAから直接地方競馬の主催者に補助金という形で直接行けない理由があるんですか。
政府参考人:JRAと地方競馬というのはもちろん共存共栄が必要でございまして、それによって日本の競馬全体を底支えしていくというのは一つの建前の議論でございますが、一方にはお互いが競争相手という面もあるわけでございますので、JRAから交付金と同額のものを地全協に一たん交付をいたしまして、そして地全協の方から地方の主催者の計画に対して助成をする、そういう仕組みをとっているわけでございます。
B委員:JRAと地方競馬が競争者だと今言われたんですよね。私、そこが大体競馬の大きな根幹だと思うんですよ。これはいわゆる二重構造と言っている方もみえるようですけれども、なぜ競馬だけがJRAと地方競馬があるのか。これは競争関係なんですか。
政府参考人:共存共栄が必要であると同時に競争的な関係でもあるというふうに申し上げたわけで、競争的な関係だけということを申し上げているわけではございません。
そのゆえんのものは、一方は国家財政への寄与、他方は地方財政に寄与をいたしているわけでございまして、それぞれ成り立ちが、全く異なって成り立ってきたわけです。中央競馬会は、全国規模の競馬開催業務を行っているわけでして、地方は地方でそれぞれが独自の施行主体として施行しておられるわけで、今は四つの団体を除いては赤字です。しかし、過去には中央競馬を上回るような非常に大きな黒字を出した時代もあるわけで、そこのところは、歴史的な経緯ということもあるので、お互いが受委託を行うということで、馬券の販売等を通じて、それぞれが売り上げを伸ばしていくという趣旨で法律的なスキームとして御提示をさせていただいているわけです。基本的にはもちろん共存共栄、それぞれが売り上げを伸ばしていこうという趣旨ですが、他方には、相違というものがありまして、なかなか一本化することは難しいと考えています。
B委員 :経緯からの相違といったら、恐らく今言ったように国家的財政への寄与、地方的財政への寄与という話をされるんだと思いますけれども、同じような観点から、競輪だって競艇だって、違法性を阻却するのは財政への寄与というのが一つ大きな要因になっている中で、こちらは一元化してやっているわけですよ。

ここにきて漸く鎧が顔を覗かせ、中央・地方の競争関係が言及されることになっていく。

ところで、議論の根幹はグリーンチャンネルの地方競馬関係の番組が削減されようとしていることが問題視されているということにある。勿論、競馬・農林水産情報衛星通信機構はJRAとは別法人ではあるが、冠に「競馬」という名がついていることからもJRAとの関係は切っても切れないいわば「ファミリー企業」であろう。これは同機構の事業概況報告書の冒頭に、「中央競馬を取り巻く環境は依然として厳しいものがあり・・・」と記述されていることからも明らかである。
ただ、面白いのは機構の寄附行為を見ると「競馬に関する放送業務」云々とあり、中央競馬に特定していない。従って、地方側が機構に対し、放送の要請や番組の提供を行っていない可能性はある。
なぜなら、さきの事業概況報告書に「地方競馬全国協会の要請により、JBC スプリント&クラシック競走の模様を11 月3日(祝)に実況生中継を行った。」と記載されており、要請があれば放送する姿勢をみせているからだ。
まあ、地方側が番組編成権を握っているわけではなし、要はユーザーが番組を見るかどうかがペイチャンネルの生殺与奪を握っている訳であるから、ユーザーがきちんと発言していくということが必要ではないかと思う。機構自身も、「各番組の放送を通じて視聴者の意見・希望を常時徴する視聴状況調査、視聴者モニタ-による調査及びホームページを活用したアンケート調査を実施することにより、番組に対する評価・ニーズを幅広く把握し、番組の改善及び視聴者に対するサービスの向上を図る。」と言っている訳だし・・・

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