耐震偽装 証人喚問の印象
耐震偽装問題で四人の関係者に対する証人喚問が行われた。
夜のニュースで概要を見ただけで詳細を把握していないので確たることは言えないが、報道からは姉歯氏が連帯責任に言及し、午後の三人が詭弁を弄して責任を否定するという構図の印象だった。
聞いていておかしかったのは、木村建設の東京支店長が「構造計算は知らない。」と言っておきながら「鉄筋量はこれくらいでと指示をした。」旨発言していたことである。構造は知らないのに材料は知っていたということだろうか?粘土細工じゃあるまいしと感じたのは私だけではな
いだろう。さらに、姉歯氏が「『設計事務所はお宅だけじゃないんだよ』という発言に圧力を感じた。」ということに対しても支店長か、「どこに対しても話の中でそうしたことはある。」と平然と答えていたことに対しては個人の問題ではなく、我が国社会全体の問題としての所謂下
請いじめの根が深いことを窺わせた。
また、内村所長が鉄筋を少なくすればコストダウンになるという自らの記事を指摘された件で「そうなると書いただけでそうしろとは言っていない」旨答えたのも笑った。確かに証人は嘘をついてはいない。しかし誰の目に見ても詭弁であることは明らかである。
新しいこともいくつか浮き彫りになったことでもあり、一定の成果のある喚問だったと思うが、国会には犯人捜しに終始することなく、建築確認ひいては国民の安全確保に向けた制度のあるべき姿についての論議を期待したい。
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