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February 22, 2006

「中国 官僚天国」を読む

「中国 官僚天国」という本を読んだ。中国で革命家から党・政府の役職に転じた筆者が自ら官僚主義の一員となって過ごしてきた経過を記した本といえる。
この本の中で、さすが中国らしく「官吏」、「官僚」などの語源に触れているのが興味深い。それによると、「官吏」の「官」とは君主のために服務し、君主に代わって仕事をする人のことを言い、「吏」とは役所で仕事をする地位の低い役人や使い走りの小役人を指すそうだ。また、「官僚」の「僚」とはもともと苦役に服する奴隷という意味だったそうだ。それが転じて官に下属する者を指す言葉となったようだ。一方、現代中国では政府の役人のことを「幹部」と呼ぶそうだが、これがなんと日本語からの借用であるという。
そして、官僚制を基盤として形成された「官僚主義」について、官僚制のプラス面を押さえ込み、マイナス面を大きくしたものと捉え、以下の5つの問題点を指摘している。
1 権力が集中しすぎている
2 現実から遊離し、大衆の生活や苦しみに関心をもたない
3 思想が硬直化し、書類をたらい回しにし、互いに責任をなすりあう
4 効率のことを考えず、一日中事務で手一杯になっている
5 職権を濫用し、法律に違反し規律を乱す
ライブドア問題を指摘するまでもなく、別に官僚組織でなくとも、こうした官僚主義に毒されている組織体は多いような気がする。
こうした官僚主義の弊害の例として本書で指摘されているのが、1987年5月6日に起こった大興安嶺の大森林火災の処理のまずさである。既に同年4月21日に地元の黒龍江省政府は「春季山林防火発令」を出していたが、山林の多いある地区政府の第一責任者は、その文書に見たという○をしただけで、具体的な実行プランの提出をせず、実際の立ち入り検査にもたった1日出かけただけで、それも途中で地区政府に呼び戻され、そのままになってしまったという。また別の県政府では副県長が県の各局長の閲覧に回したが、それが戻ってきたのが完全鎮火から3日経った6月4日になってからで、その間、この文書は何も対策を講じぬまま単に各部局をたらい回しされていただけだったという。

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