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May 02, 2006

賭博経済学入門(2)-キルトクール社員の投票行動の分析(Ⅰ)

キルトクール理論では、要するに「キルトクールがこなかった場合の喜びが次へのモチベーションとなることのみならず、キルトクールがドンガバチョしてしまった場合の悔しさをバネに次のレースへの意欲を高める。」という仮説が前提となる。この仮説を検証することを目的として、実際にキルトクール社員の方々の投票行動を分析してみることとしよう。検証対象としては、誰が見ても圧倒的一番人気のディープインパクトが出走した天皇賞とその前哨戦である阪神大賞典を取り上げてみた。
阪神大賞典では、以下のようにキルトクール指名がなされていた。
1 着(1人気) ディープインパクト 0票(8位)
2着(5人気) トウカイトリック  5票(4位)
3着(2人気) デルタブルース   5票(4位)
4着(8人気) ハイフレンドトライ 1票(7位)
5着(6人気) ファストタテヤマ  6票(3位)
6着(4人気)アイポッパー    8票(2位)
7着(7人気)チャクラ      4票(6位)
8着(3人気) インティライミ   9票(1位)
9着(9人気) ブリットレーン   0票(8位)
社員さんの予想時点で競走結果が確定していることはありえないので、人気によってキルトクール指名が左右される可能性があるとすると、人気とキルトクール指名結果はいずれも「順位」であるから、スピアマンの順位相関係数を用いればその関係を検討することができる。都合のよいことに、スピアマンの順位相関係数を計算できるHP があったので、これを拝借して計算すると、スピアマンの順位相関係数は0.31(有意確率0.42:やや弱い相関)ということになった。
一方、「結果」についての一喜一憂は競走結果とキルトクール指名との相関をみればよいわけで、スピアマンの順位相関係数は-0.21(有意確率0.59:やや弱い相関)という結果を示した。
次に天皇賞・春の結果は、次のとおりであった。(*は阪神大賞典出走馬)
1着(1人気)ディープインパクト*1(10位)
2着(2人気)リンカーン    16(1位)
3着(8人気)ストラタジェム   1(10位)
4着(7人気)アイポッパー*  2(5位)
5着(9人気)トウカイカムカム 1(10位)
6着(13人気)ファストタテヤマ*1(10位)
7着(3人気)マッキーマックス 3(3位)
8着(6人気)ローゼンクロイツ 2(5位)
9着(5人気)トウカイトリック* 3(3位)
10着(4人気)デルタブルース* 9(2位)
11着(11人気)シルクフェイマス1(10位)
12着(10人気)ナリタセンチュリー0(15位)
13着(14人気)ビッグゴールド 2(5位)
14着(12人気)アドマイヤモナーク2(5位)
15着(17人気)ハイフレンドトライ*0(15位)
16着(15人気)チャクラ*    2(5位)
17着(16人気)ブルートルネード 0(15位)
これも同様に、人気との相関及び結果との相関を計算すると、
人気との相関についてのスピアマンの順位相関係数は 0.58(有意確率0.01:やや強い相関)、結果との相関についてのスピアマンの順位相関係数は0.26(有意確率0.32:やや弱い相関)という結果になった。
キルトクールにおいては、人気・実力共に抜けた馬やあきらかに力の劣る馬は指名されない傾向にあることは明らかであるから、社員さんたちは、概ねそこそこの力を持った馬を指名していることが人気との正の弱相関にあることから推察できる。(勿論一番人気馬を除外して計算すればさらに良い結果が得られるのは明らかであろうが、解釈に混乱をきたすおそれがあるので、ここでは行わないこととした。)
一方、結果との相関については、阪神大賞典では負の弱相関、天皇賞・春では正の弱相関を示した。このことは、阪神大賞典においては、キルトクール指名馬が馬券を外すケースが多く、「消し屋」の面目躍如となったのに対し、天皇賞・春では逆に指名馬が上位入線し、「ドンガバチョ」現象が多かったことが推察された。

今後、キルトクール指名の結果如何によってその後の投票行動に変容があるかどうか、検証してみることとしたい。

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追記:スピアマンの順位相関係数を利用すれば、「人気」と「着順」の関係が一目でわかることから、これを利用して特定の場所が「平穏」だったか「波乱」だったかを推察することが可能だろう。機会があればこれについての考察も行ってみることとしたい。

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