国民に分かりにくい民主党の「ダブルスタンダード」
福井日銀総裁が富士通総研理事長時代だった7年前に、村上ファンドに対し個人として1千万円を拠出していた問題は、いろいろ波紋を広げているが、一方で民主党の国会議員が同ファンド関係者から秘書給与の提供を受けていた問題も発覚した。
これに対する、民主党の反応は、福井総裁に対しては、「重大な問題」とする一方で、自党の議員への処分は「考えていない」ということのようである。後者は単なる形式犯に過ぎないというのが理由のようだが、国を左右し得る公職にある者が、特定企業から結果的に便宜を受けていたという事実には変わりなく、この「ダブルスタンダード」は国民にとって分かりにくいものという印象を受ける。ひいては、「官(日銀も広義の官であろう)に居る者は清廉を必要とし、政に居るものはどうでもよい。」という観念が流布され、国民の政治不信が増強されるおそれがある。
国民にわかりやすい論理が必要ではないだろうか。
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